5月17日 同居する蜘蛛



築40年ほどのアパートに私と同居する蜘蛛はホコリと見間違うほどの小さな蜘蛛だ。部屋の角に張った巣ももちろん小さい。

その蜘蛛が行き来する狭い空間の出来事に目を見張る日常から茶の本で読んだ茶室の中のことを思い出したのでこの日常を少しだけメモしておくことにする。

小さな蜘蛛の巣にゴミが付いてはかわいそうだと思いなるべく掃除をするようにした。しかも大きな動きをするとホコリが舞ってしまうので、私はなるべくゆっくり動いてその周辺を掃除する。蜘蛛の存在に気がついてから数ヶ月、こんな場所で生きていけるのかと不思議に思っていたけどある時、きちんと脱皮もしていたことを知り安心していた。もう少し大きくなったら模様などもでてくるかもしれないし種類などを調べてみたいな、などと思い時々この角に会い行くといつでもその蜘蛛はそこにいた。

ある時、小さなガラス瓶を買って蜘蛛のいる角のちかくにに飾り草を入れた。その後、角を確認したが蜘蛛の姿がない。もしかして、と思いガラス瓶の近くを探すとその蜘蛛がいた。蜘蛛からしたらその角からガラス瓶はそこそこ距離がある(アパートの4階からおりて道路をわたって少し歩いたところにあるパン屋さんに行くくらい)と思うけどガラス瓶に入った水や草にどうやって反応したのかなと考えてみたり。

蜘蛛の目線になって小瓶や水、草、上から吊るしている鉱物の表面プレートなどが一体どんなふうに見えるのだろうと考えるのが楽しい。