8月30日(11日目)海の熨斗と粉包みのぽんっ

だんだんと、レポートがまとまらなくなっている。思いつきと勢いで毎日が進む。




昨日、いくつかのプロジェクトについてカミノスのスタッフたちに相談。今日からタイミングをみていろんなグループに随時参加してもらうことになった。

プロジェクトは以下の通り

アリのためにたとう包み
自然の木のために紅包み
大切な人のために熨斗
肉のために粉包み
季節のために万葉包み
子どもたちのために鶴のお年玉包み


午前中はアートのクラスでは熨斗をつくるプロジェクト。熨斗は本来、海の底でとれたアワビを伸したものを包む。非常に手間をかけて作られたもので神様にお供えするようなものだが現在は折形のシンボルのようなものともいえるし他の折形とは別格のものだ。


深い海の底のイメージを熨斗に重ねる時間ができないだろうか。
海のように深い気持ち ”でまずは折る紙を塗ってもらった。本来は白と赤などの紙で折るものだが気持ちを共有する時間を持ちたかった。塗った紙を海に見立てて鏡の周りに並べて、一人ひとりで覗いてみる。覗かない、ていう人もいた。

今回の交流で度々絵を描くことで何かを共有している。折形を携えてやってきたのに、折ることをせずにいていいのか、でもとにかく折ることをするのも違う気がする、といういいのか悪いのかわからないわからないこだわりもあっての毎日。逃げているのか挑戦しているのかわからない。

でも海越しに日本を覗き込むようなこの時間をつくれて私は嬉しかった。








午後はTURNを監修している日比野さんが日本からやってきた。こちらでの日々について話たあと、ひとつ折形をやってみることになった。ちょうど料理クラスの人が行われていたので料理に因んで粉包み(スパイスを包む)をやってみることにした。一度、唐辛子の包みをやっていたので今日は胡椒包み。こちらで一般的に食べられているお肉は日本より分厚い。スーパーに行って見かける肉は大きな塊で「あぁ、肉だな。動物だな。」て感じがする。日本人が食べる前に言う「いただきます」がぴったりのお肉。お肉を美味しく頂くことをイメージして粉包みをしてもらった。
胡椒の包みをみて「鳥!」といった人がいた。形が具体的に何かの形をしているのかは私しらない。折形は少し複雑な形になると“何かにみえるなぁ”とか“あ、こんな形も作れるかも”とか思い始めてどんな思いで、何のために折るのかちょっと忘れちゃったりして、折り紙のようになっていったりしたのかな、なんて話もしながら。



折るエネルギー
スパイス包みでは二重三角を折り出す工程がある。3の線を折った後、紙を裏っ返して紙の中心を指でそっと押すとぽんっと二重三角が浮かび上がる。日本での研修中にも私もこの“ぽんっ”の瞬間にがちょっと好きだった。

今日みんなでそのぽんをやってみたらやっぱりみんな“わっ”てなった。




お祭りの神事の準備みたいな時間
日比野さんからのアドバイスで展示空間をイメージしてつくったものをまずちゃんと並べておいてみたら??と。大きな部屋を使わせて頂いているが毎日勢いで過ごすのでなかなか振り返ることがなくて。。日比野さんたちが去ったあと落ち着いて部屋を整理してみた。

昨年、滞在していた粟島で度々行われる神事の手伝いをしたことがある。お社の中を掃除して机を整えてお供えものをならべる。ちょっとグラグラしている机にドキドキしながら島の人に教わりながら準備をした。Caminosで折ったものをならべているとそのときのことを思い出した。